不妊症とは?男女別の原因と、治療の選択肢を紹介
公開:2024.1025 更新:2024.1025
「子どもを授かりたい」と願って妊活を始めても、なかなか妊娠しないときには、不妊症の可能性を考えなければなりません。
言葉は聞いたことがあっても、内容や原因などを理解している方はそれほど多くないのではないでしょうか。
そこで本記事では、不妊症の原因やその治療法についての疑問にお答えします。
新しい命を迎えるためにも、妊娠に関する知識を深めたい方はぜひ最後までご覧ください。
不妊症の定義
「不妊症」とは、何らかの治療を受けなければ、自然に妊娠する可能性がほとんどない状態のことです。
これは、女性側だけではなく男性側に原因がある場合も含みます。
一般に、⽣殖年齢の男⼥が、避妊せず定期的に性生活を送っているにもかかわらず、1年以上妊娠しない状態が続いた場合、「不妊」と考えられます。
ただし、女性が35歳以上だったり、子宮や卵巣の手術を経験している場合には、妊娠できない期間が1年未満であっても、不妊であることを視野に入れて検査や治療をする場合もあります。
ある程度の期間が経過しても妊娠しない場合、その後自然に妊娠する可能性は低くなるため不妊症と診断されるわけです。
不妊症になりやすい人はいるのか?
結論からいうと、不妊症になりやすい方は男女ともに一定数いるとされています。
女性の場合、月経周期や期間、月経痛などに異常がみられる方や、35歳以上の方は不妊症のリスクが高いと考えられています。
その理由は、排卵されていない、あるいは子宮の内腔に何らかの問題が起きているなどさまざまです。
男性の場合は、睾丸が小さい、または柔らかくなったと感じる方は、精子の状態が悪化している可能性があるため不妊症になる可能性があります。
不妊症の原因
妊娠が成立するためには、卵子と精子が出会ったのち、受精して着床するまでに多くの条件がそろう必要があります。
多くの条件があるゆえに、ひとつでも欠けると妊娠の確率が下がってしまいます。
つまり、不妊の原因は、条件の数だけいくつも考えられるということです。
ここでは、不妊症の原因を女性、男性ごとに紹介します。
女性側の原因
女性の不妊症のおもな原因には、以下のようなものがあります。
名称 | 概要 |
排卵因子 | ホルモンのバランスが崩れることで、排卵障害が起こっている |
卵管因子 | 卵管が正常に機能せずに、卵管に卵子が取り込まれなくなっている |
子宮因子 | 卵管が正常に機能せずに、卵管に卵子が取り込まれなくなっている |
頸管因子 | おりものの量が少なく、精子が子宮内に到達しづらくなっている |
なお、検査を受けて上記に当てはまる場合もあれば、明確な原因が認められず「原因不明不妊」と呼ばれる場合があります。
原因不明の場合には、検査では発見しきれなかった原因が潜んでいる可能性も考えられます。
関連記事:卵子の数が少ないとどのように影響が出るのか?
男性側の原因
男性の不妊症のおもな原因には、以下のようなものがあります。
名称 | 概要 |
造精機能障害 | 精子の数や形状、運動能力などに異常が起こり、受精させる力が低下している |
精路通過障害 | 精子は作られているが、精液中に精子が出てこない状態になっている |
性機能障害 | 勃起障害(ED)や射精障害などによって、性交渉で射精できない状態になっている |
妊娠を希望する女性が検査を受けたものの明らかな原因がなく、パートナーの男性が検査を受けたところ、男性側に不妊症の原因が発見されたというケースも少なくありません。
そのため、妊娠を望む際には、お互いに検査を受けるとよいでしょう。
不妊症と診断された場合には
不妊症と判明した場合には、そのための適切な治療を受けなければ妊娠は難しいでしょう。
女性の排卵に原因があるときは、排卵誘発法で排卵を起こさせ、卵管や子宮に問題があるのであれば、その原因を取り除くために内視鏡手術が行われます。
男性に不妊症の原因がある場合も、薬物療法や手術などを原因に応じて受けることになります。
いずれの原因であっても、不妊治療にはさまざまな種類があるため、医師と相談のうえ、ご自身に合う治療方法を適切なタイミングで受けることが重要です。
関連記事:海外で行うことができる不妊治療をご紹介
不妊治療の選択肢
実際に不妊治療に取り組んでも、なかなかうまくいかず、苦しい思いをされている方もいらっしゃることでしょう。
その場合には、卵子提供や精子提供、代理出産などの治療方法も検討することができます。
現在、卵子や精子の配偶子提供については、様々な条件や審査をクリアできれば日本の医療機関でも、提供を受けて出産することが可能です。代理出産については日本では行われていません。
いずれの治療も、日本の法律に違反はしていませんが、現状日本で受けるにはハードルが高いこともあり、海外に目を向けてこれらの治療を行う方が増えています。
しかしその際には、治療の条件や不妊対策に関する法制度は国によって異なるため、受けられる治療方法やその周辺情報なども合わせて、慎重に検討することが重要です。
海外で不妊治療を受けたい場合には、必要なプロセスをコーディネートして提案するエージェンシーに依頼することもできるので、国内で受けられる治療の条件や費用などと合わせて総合的に考え、自分たちにとって一番良い方法を選ぶことが大切です。
【関連記事】
卵子提供を受けるメリットとデメリット
精子提供とは?精子提供について知識と理解を深めるための基本を紹介
代理出産とは?メリット・デメリットやかかる費用も知りたい
不妊症にはさまざまな原因があります。ご自身に合った治療法を選びましょう
本記事では、不妊症についてその原因と、診断後の治療について考えてみました。
不妊症になりやすい方は男女ともに一定数いるとされており、いくつかの原因が重なっている場合や原因がはっきりしないケースも珍しくありません。
適切な治療を選択するためにも、子どもを望んだタイミングで、お互いに検査を受けると良いでしょう。
また、不妊症と診断されても、子どもを持てる可能性や選択肢はいろいろあるので、あきらめずに相談してみてください。