妊娠適齢期ってなに?適齢期間がある理由も紹介

公開:2024.1202 更新:2024.1202

“妊娠適齢期”という言葉を、これまで耳にしたことはありますか?
「将来的に子どもを持ちたい」と望むのであれば、知っておきたい言葉のひとつです。

そこで本記事では、妊娠適齢期とは何なのか?ということを、適齢期が存在する理由とともに紹介します。
妊娠に関する正しい知識を理解したうえで、今後のライフプランを立てたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

妊娠適齢期とは?

妊娠適齢期とは、妊娠しやすく、母子ともに安全に妊娠・出産ができる可能性が高い年齢の範囲のことです。
一般的に、年齢を重ねるほど妊娠が成立する可能性は低くなり、流産や胎児の染色体異常などのリスクは高くなるとされています。

女性の社会進出をきっかけにライフスタイルが変化し、男女ともに晩婚化の影響で第1子の平均出産年齢が上昇しています。
厚生労働省によると、1975年における第1子の平均出産年齢が25.7歳であったのに対し、2023年には31歳と、この50年間ほどで約5歳も上昇していることがわかりました。

そのため、子どもを持ちたいと希望している場合には、男女ともに妊娠適齢期には期限があることとその理由を理解し、子どもの出産を希望する時期を含めたライフプランを考える必要があります。
妊娠適齢期が限られている理由に関しては後述しますので、そちらをご覧ください。

参照元:令和5年 厚生労働省「令和5年人口動態統計月報年計(概数)の概況」結果の要約(1)

妊娠適齢期は何歳?

医学的な見地に基づいた説を鑑みると、妊娠適齢期は20~35歳位までと考えられます。

 女性の生殖能力は22~28歳頃にピークを迎えたあと、加齢とともに徐々に失われていきます。
30歳を超えると、自然に妊娠する力は少しずつ衰退し、35歳を過ぎると卵子数の減少や質の低下とも並行して急激に下降していきます。 

もちろん、個人差はありますが、35歳を過ぎると妊娠できる可能性はどんどん低くなるため、ご自身のキャリアや家庭の事情など、さまざまな考えを尊重しつつ、ライフプランを立てましょう。

【関連記事】
卵子が老化するメカニズムや対策について
卵子の寿命はどのくらい?年齢との関係性は?

妊娠適齢期が限られている理由

妊娠適齢期が限られている大きな理由は、加齢が原因で引き起こされる様々な問題です。

まずは、妊娠しやすさの問題で、母子ともに安全に妊娠・出産を迎えるためには質の高い卵子が必要ですが、年齢を重ねるとともに卵子の数が減少し、卵巣機能や卵子の質も低下するため、妊娠の確率は低下します。

女性は、卵子のもととなる卵母細胞を約200万個持って生まれ、生涯新しくつくられることはありません。成長とともにその数は減少し、排卵が起こり始める思春期頃には30~50万個近くにまで減ります。そして、37歳頃には2万個程度まで減り、減少のスピードも加速するということです。
一般に、無事な妊娠・出産の確率を高めるのは卵子の「数」よりも「質」が重要と言われますが、数が少なくなれば、質の良い卵子と受精できる確率も減ることになるでしょう。

次に、加齢に伴い卵子が老化すると、受精しても細胞分裂しにくくなる、胚の成長が止まる、着床しにくくなるため妊娠率が低下する、などのことが起こりやすくなります。またそれだけでなく、染色体異常の増加や受精後の胚発育不良、流産のリスク増加など、安全な妊娠・出産を妨げる多くの問題にさらされる可能性が高くなると考えられています。

 そして、無事に妊娠できても、異常妊娠・妊娠合併症などのハイリスク妊娠が増加します。
早産や妊娠高血圧症・妊娠糖尿病、帝王切開などは、女性の日常的な健康上の要因に、妊娠という負荷が加わることで引き起こされて、リスクが高まることもあります。場合によっては命の危険にさらされることもあるので、留意する必要があります。

 加齢による卵子の質と数の低下は、自然妊娠の可能性を低くするだけでなく、人工受精や体外受精などの不妊治療の成功率にも影響を与えます。
そのため「いつか子どもを産みたい」とお考えなら、妊娠適齢期を把握し、早めに計画を立て、必要に応じて適切な治療を受けることが欠かせません。

【関連記事】
卵子の数が少ないとどのように影響が出るのか?
高齢出産に伴うリスクと対策方法を紹介

男性の適齢期

一方、女性に妊娠適齢期があってその大きな理由が加齢であるように、男性にも、加齢によって妊孕能の低下や妊婦の早産・流産の確率を上げるといったリスクがあることは、あまり意識されていないのではないでしょうか。

男性も、年齢を重ねるとともに、個人差はあっても、精巣機能の低下がみられ、精液量・精子の正常形態率・精子の運動率が低下し、精子のDNA 損傷の割合も上昇します。

そのため、男性も40歳を超えると、20歳台に比べて妊娠に至る確率は大幅に低下し、流産や遺伝性疾患のリスクが高まると言われています。

妊娠適齢期を把握し、子どもを希望する時期を含めたライフプランを立てましょう

本記事では、妊娠適齢期について、期間が限られている理由とともに紹介しました。

妊娠適齢期とは、妊娠しやすく、母子ともに安全に妊娠・出産ができる可能性が高い年齢の範囲のことです。
その年齢範囲とは、個人差はあるものの20~35歳頃と言えるでしょう。
また、妊娠適齢期が限られているのは、女性が年齢を重ねるとともに、卵子の質と量が低下するからです。

「子どもを持ちたい」と考えている方は、女性の妊娠適齢期を理解したうえで、適切なプランを立てることが理想の未来への第一歩となりますが、その際には、男性の妊孕能にも「適齢期」があることを考慮する必要があります。

また、プラン通りに努力しても、思い通りの結果にならない場合もあります。
その際には、卵子提供や精子提供、代理出産などの生殖補助医療を用いた不妊治療を行うという選択肢もあります。
私たちミラクル・エンジェルスでは、子どもを授かるという夢を叶えようとしている方々を応援しています。

Previous
Previous

閉経しても不妊治療はできる?

Next
Next

不妊治療中におすすめの栄養素は?妊娠に向けた体づくりを紹介