閉経しても不妊治療はできる?

公開:2024.1213 更新:2024.1213

妊娠を望む女性にとって、閉経というライフイベントは大きな問題です。

「閉経の時期を知る方法があるのか?」「閉経しても妊娠できるのか?」という疑問を持っている方も少なくないでしょう。

そこで本記事では、閉経と妊娠の関係を説明したうえで、閉経したあとでも可能な不妊治療を紹介します。

「子どもを授かりたいけど、年齢の問題もあって悩んでいる」という方は、ぜひ参考にしてください。

閉経とはどんな症状?

閉経とは、卵巣の働きが低下し、月経が完全に停止した状態のことです。医学的には、12カ月以上続けて月経がなかった場合に、閉経と診断されます。

卵巣から分泌される女性ホルモンの減少が主な要因で、加齢による自然な体の変化の一環です。

閉経に至る過程では、月経の周期が不規則になる場合があります。また、月経があっても排卵が起こらない“無排卵月経”が増えたり、出血量が変化したりすることが特徴です。

さらに、ホルモンバランスの乱れによって、ほてりや発汗、情緒不安定といった更年期特有の症状が現れることも少なくありません。

閉経の時期は予測できる?

閉経の時期には個人差がありますが、一般的な日本人女性の場合、40代から50代半ばにかけて迎える方が多いようです。ただし、閉経の時期を正確に予測することは難しく、早い方では30代で迎える方もいれば、遅い方では50代後半まで月経が続く方もいます。

閉経に関して不安がある場合は、医師に相談することで、適切なアドバイスが受けられるでしょう。閉経の時期を正確に知る方法はありませんが、自身の体の変化を観察することで、ある程度の予測は可能です。

閉経の時期を予測する方法
  • 月経周期から閉経時期を予測
  • 基礎体温から閉経時期を予測

閉経に向かう過程では、月経周期に変化が起こります。特に40代に入ると月経不順が多くなる傾向にあり、月経周期が短くなったり不規則になったりします。

こうした変化は、閉経が近づいていることを示すサインです。

また、基礎体温の変化も閉経を予測するための重要な指標です。通常、基礎体温は低温期と高温期がはっきりと分かれるものですが、更年期に入るとこの区別がつきにくくなり、基礎体温の変動が小さくなります。

そのため、自身の基礎体温を記録する習慣をつけることで、閉経の兆候を早めに捉えられるはずです。

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閉経しても妊娠・出産できる?

閉経を迎えた方が自然に妊娠することは、排卵も停止しているため、基本的に不可能です。

しかし、可能性が完全にないわけではなく、場合によっては治療次第で妊娠を望めることもあります。

それは、40代未満で閉経を迎える“早期閉経(早期卵巣機能不全)”の場合です。この場合には、専門機関で採卵誘発剤などを用いた治療を受けることで、妊娠・出産に至るケースもあります。

早い時期に閉経を迎えた場合、子どもを希望している方は、早めに婦人科医に相談することをおすすめします。

また、閉経後でも、凍結卵子がある場合には、その状態の良い卵子を使用して、体外受精や顕微授精により、妊娠・出産できる可能性があります。ただし、妊娠・出産を実現するには子宮の状態も関係してくるので、検査を受けて、自身の状態が妊娠・出産可能かどうか確認が必要です。

また、自身の卵子ではなく提供された卵子を使って受精を行い、その受精卵を子宮に戻すことで妊娠を目指す方法も考えられます。この場合でも、自身で出産を希望する場合には、子宮の健康状態が良いことが条件となります。

関連記事:卵子の寿命はどのくらい?年齢との関係性は?

閉経しても不妊治療はできる?

繰り返しになりますが、閉経後は卵巣の活動が低下し、自然妊娠はほぼできなくなります。しかし、卵子提供や凍結卵子・胚を用いた体外受精などの生殖補助医療を受ければ、その願いが叶うかもしれません。

また、自身での出産にこだわらないのであれば、代理出産という選択肢もあります。それぞれの特徴を理解したうえで、もっとも適切な方法を選んでください。

卵子凍結により、妊孕性(にんようせい)の温存が可能に

卵子凍結は、将来妊娠を希望する女性にとって、妊孕性(妊娠するための能力)を温存する有効な手段となります。

この方法では、卵子の状態が良い年齢の時に自身の卵子を採卵、凍結保存することで、年齢を重ねても若いときの卵子を使用して妊娠できる可能性を残します。

卵子の質は年齢とともに低下するため、妊孕性の低下に備えて卵子凍結を行うのであれば、可能な限り早い段階で採卵するのが望ましいでしょう。

20代から30代前半にかけて採取した卵子ほど、妊娠・出産の成功率が高いといわれています。

「将来子どもを授かりたい」と考えている場合は、早めに専門医と相談し、自身のライフプランに合った方法を選ぶことをおすすめします。

閉経しても不妊治療により妊娠・出産することは可能

本記事では、閉経と妊娠の関係や不妊治療について紹介しました。

閉経の時期を正確に知ることは難しく、閉経を迎えたあとは、自然に妊娠することがほぼ不可能になります。

ただし、早期閉経の場合や生殖補助医療を用いた治療、卵子提供や代理出産といった方法をとれば、閉経したあとでも子どもを授かることができる可能性があります。

また、若いうちに専門医と相談し、卵子凍結によって妊孕性を温存しておくのも一つの方法です。年齢を理由に子どもを授かる夢を諦めたくない方は、ご紹介した治療方法を一度ご検討ください。

こちらからご確認いただけます:卵子凍結卵子提供精子提供代理出産

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