葉酸とは?卵子や妊娠・出産に与える役割を紹介

公開:2024.0627 更新:2024.0627

葉酸は妊活中や妊娠中の女性が摂取したほうがよいとされる、大切な栄養素です。
しかしながら、葉酸が体の中でどのような役割を果たすのか、よく理解できていない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、葉酸の概要を紹介したうえで、卵子や妊娠に与える役割についてお伝えします。
また、葉酸を多く含む食品も取り上げているので、ぜひ参考にしてください。

葉酸とは

葉酸とは、プテロイルモノグルタミン酸やその派生物の総称です。

ビタミンB群に分類される必須栄養素のひとつであり、植物の葉に多く含まれている物質です。食べ物から必要量を摂取しないと、欠乏状態を引き起こす、重要な栄養素です。

葉酸が卵子や妊娠・出産に与える効果

葉酸は、ビタミンB12とともに赤血球を生産する大事な役割を果たしているため、体内で不足してしまうと、貧血を引き起こすおそれがあります。
また、DNAやタンパク質の合成を促進したり、一部のアミノ酸の代謝に関わっていたりと、多くのはたらきがあります。
ほかにも、胎児の発育にさまざまな影響を与え、細胞の分裂や複製、分化などにも影響を及ぼすことから重要な役割を担っています。

そのため特に、妊娠や出産を控えた女性には欠かせない存在です。ビタミンB12とともに赤血球を作り、この作用によって卵巣の血流が改善されれば、卵子の質が高まることが期待できます。また、妊娠初期の女性が葉酸を摂取すると、出産に際して次のような効果が得られるといわれています。

葉酸が出産に与える効果
  • 神経管閉鎖障害のリスクを低減する
  • 細胞の分裂や成熟を大きく左右する

神経管閉鎖障害とは、子宮内の胎児の脳や脊髄のもととなる神経管がうまく作られない先天異常のことです。
胎児の母親は、妊娠前から葉酸を十分に摂取することで、生まれてくる子どもに神経管閉鎖障害が発症するリスクを低減できるといわれています。

このように、葉酸は出産に関わる女性だけではなく、胎児にとっても必須となる栄養素のひとつです。
十分に摂取できていないと、全身の細胞の分裂や分化に悪影響を及ぼします。
子どもが健康に生まれてくるためにも、妊娠や出産の前から葉酸が不足しないように意識することが大切です。

関連記事:不妊治療中におすすめの栄養素は?妊娠に向けた体づくりを紹介

葉酸を多く含む食品

葉酸を摂取できる食品はさまざまで、なかでも焼きのりやわかめ、ほうれん草、モロヘイヤなどに豊富に含まれています。

食品に含まれる葉酸の量
食品 含まれる葉酸の量(食品100gあたり)
焼きのり 1,900μg
わかめ(乾燥) 440μg
ほうれん草(生) 210μg
ほうれん草(ゆで) 110μg
モロヘイヤ(生) 250μg
モロヘイヤ(ゆで) 67μg

また、葉酸はサプリメントでも摂取できます。
妊娠中・授乳中の女性は、普段と比べて葉酸の必要量が1.8倍に増えるため、食品にくわえてサプリメントを活用して補いましょう。
ただし、サプリメントは食品と比べて体内に吸収されやすいため、必ず摂取量を遵守して、摂りすぎに注意することが必要です。

厚生労働省は、胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減のために、1日400μg(マイクログラム)の葉酸の摂取を推奨しています。

参照元:文部科学省「食品成分データベース」
参照元:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書」

葉酸で血流が改善されれば、卵子の質が高まることも期待できる

本記事では、葉酸が卵子や妊娠・出産に与える影響を紹介しました。

葉酸は、赤血球の生産など、体内でさまざまな役割を果たしています。
妊娠中・授乳中の女性は、普段と比べて必要量が大幅に増えるため、食品に加えてサプリメントを活用するのも良いでしょう。

葉酸の作用で卵巣の血流が改善されれば、卵子の質が高まることも期待できます。卵子の質は、子どもを授かるうえで重要な要素の一つです。

妊活中から出産後の授乳期間終了くらいまでは、特に意識的に摂取していただきたい重要な栄養素のひとつです。

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