卵子提供を受けるメリットとデメリット

公開:2024.0502 更新:2024.0502

卵子提供を受ければ、ご自身の卵子で妊娠するのが難しい場合でも、子どもを授かることが可能です。
しかし、実際に卵子提供を受ける前に「どのようなメリットとデメリットがあるのかを知りたい」と考える方は、多いことでしょう。

そこで本記事では、卵子提供を受けるメリットとデメリットについて考えてみました。
卵子提供について理解し、ご自身に適したエージェントを選定する参考にしてください。

卵子提供とは

卵子提供とは、ご自身の卵子では妊娠できない、または妊娠が難しい場合に、第三者である卵子ドナーから卵子の提供を受ける不妊治療のことです。

2020年には、卵子提供により生まれた子どもの親子関係について定めた『生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律』が成立しました。

この法律には、女性が自分以外の卵子を用いて子どもを懐胎し、出産したときは、出産した女性をその子どもの母親とする旨が記載されています。

第三章 生殖補助医療により出生した子の親子関係に関する民法の特例 (他人の卵子を用いた生殖補助医療により出生した子の母)

第九条 女性が自己以外の女性の卵子(その卵子に由来する胚を含む。)を用いた生殖補助医療により子を懐胎し、出産したときは、その出産をした女性をその子の母とする。

引用元:生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律

この法律により、卵子提供で生まれた子どもも、戸籍上は実子として登録されるようになりました。

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卵子提供による体外受精の流れ

卵子提供による体外受精のおおまかな流れは、以下の通りです。

  1. 希望条件に合う卵子ドナーを見つける
  2. 卵子ドナーから卵子を採取する
  3. 体外受精により、ドナーの卵子と夫の精子を受精させる
  4. 受精させてできた胚を培養する
  5. 培養した胚を子宮に移植する

卵子提供で生まれた子どもは、ドナーの卵子と夫の精子によって、遺伝情報が受け継がれます。
そのため、夫の遺伝情報は受け継がれますが、妻の遺伝情報が受け継がれることはありません。

卵子提供を受ける理由

卵子提供を受ける理由は人によってさまざまです。
主な理由としては、加齢やがん治療の影響で卵巣機能不全に陥っている場合や、卵巣を摘出している場合、早発閉経により卵子が存在しない場合などが挙げられます。

 卵子提供は、ご自身の卵子で妊娠することが難しい女性が、妊娠・出産を叶えるための不妊治療のひとつです。

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卵子提供のメリット

ここでは、卵子提供を受ける3つのメリットを紹介します。

メリット①ご自身の卵子で妊娠できなくても、子どもを授かることができる

卵子提供を受ければ、ご自身の卵子に問題がある場合でも、子どもを授かることが可能です。
病気などが原因で卵巣機能にダメージを受けた方や受精能力がない方でも、健康な卵子を提供してもらうことで、妊娠・出産が叶います。

メリット②流産などのリスクを下げられる

卵子提供による、若い年齢の女性から採卵した卵子での妊娠・出産は、胚移植の失敗や流産などのリスクを低減できることもメリットです。

一般的に、高齢になるにつれて、流産する確率や、生まれてくる子どもが染色体異常でダウン症などになる確率が上昇します。
ドナーから提供される卵子は、若く健康な女性のものなので、結果的にさまざまなリスクを軽減できることになります。

メリット③成功率が高い

卵子の老化によって不妊治療がうまくいかない場合、健康な卵子の提供を受けることによって、ご自身の卵子を用いる場合と比較し、妊娠の成功率が高くなります。

ご自身の卵子で受精しにくくなっている場合には、卵子提供は効果的です。

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卵子提供のデメリット

卵子提供にはメリットだけではなく、デメリットも存在します。

デメリット①高額な費用がかかる

卵子提供は、通常の体外受精と比較して、高額な費用がかかります。
厳しい条件をクリアして審査に通ったとしても、様々な諸経費が必要になります。

また、国内の医療機関ではなくご自身で行う場合には、卵子提供エージェンシーへの手数料の他に、海外への渡航費用や卵子ドナーへの報酬などが必要になるからです。

デメリット②卵子提供を受けても妊娠できない可能性がある

卵子提供を受けたとしても、必ず妊娠できるとは限りません。

若くて健康な卵子をできるだけ良い条件の下で体外受精、胚移植しても、ご自身の卵子よりも確率は高くなるとは言え、100%ではありません。胚移植しても着床しない場合や流産の可能性が残ることはデメリットと言えるでしょう。

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デメリット③高齢出産によるリスク

 40歳以上の方が卵子提供を受ける場合は、高齢妊娠・高齢出産のリスクを抱えます。
一般的に、母親が高齢であるほど、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病を引き起こす確率が高まるとされています。

また、リスクを背負うのは、卵子提供を受ける母親だけではありません。
生まれてくる子どもに対しても、良くない影響を及ぼす可能性があります。

高齢妊娠が原因で起こりやすくなる合併症には、胎盤が子宮の入り口を塞いでしまう「前置胎盤」や、出産前に胎盤が子宮から剥がれてしまう「胎盤早期剥離」などがあり、これらは母親や子どもの生命にかかわる危険もあります。

高齢出産の場合は、高い技術をもつ、信頼できる医療機関を利用するのが大切です。

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卵子提供における注意点

卵子提供を受ける際は、以下の注意点について理解しなければなりません。

①子どもに告知するときに、精神的なケアが必要になる

生まれてきた子どもに事実を告知する際は、精神的なケアが必要になることを覚えておきましょう。
事実を知ったことで、子どもがショックを受けるおそれがあるため、気持ちを最大限配慮した方法をとらなければなりません。

 将来的に子どもに対して、卵子提供によって生まれてきた事実を伝えるかどうかは、あらかじめ夫婦間で慎重に話し合う必要があります。

②生まれてくる子どもの障害や疾患リスク

卵子提供を受けたとしても、障害や疾患のある子どもが生まれてくる可能性は、ゼロではありません。

なお、これらの可能性は、着床前検査や遺伝子検査などを行うことで、かなり低減させることができます。

卵子提供エージェントを選ぶ際のポイント

卵子提供エージェントを選ぶ際は、次のポイントに注目してみましょう。

    卵子提供エージェントを選ぶ際のポイント
  • 対応エリア(国内に拠点があるか)
  • 卵子ドナーの在籍数
  • 卵子提供の実績
  • 料金体系
  • 提携しているクリニックの実績
  • サポート体制
  • 法的支援の有無

特に、エージェントや提携しているクリニックの実績など重要です。必要なポイントを押さえているご自身の希望に合った、信頼できるエージェントを選ぶことが大切です。

卵子提供プログラムにかかる費用の目安

エージェンシーを通じての卵子提供にかかる費用は、内容にもよりますが、400万円程度が相場とされています。
費用は卵子提供エージェンシーや提携先のクリニックによって左右され、500万円を超えることも珍しくありません。

 ミラクル・エンジェルスの卵子提供プログラムにつきましては、下記をご覧ください。

卵子提供の流れと費用について

卵子提供以外の不妊治療

最後に、卵子提供以外の不妊治療も紹介します。
卵子提供と合わせて、どのような選択肢があるのかをご確認ください。

代理出産

代理出産とは、パートナー以外の第三者の女性に妊娠・出産を依頼することです。
なんらかの理由によって、ご自身で子どもを授かれない場合に、生まれた子どもを引き取って育てることを前提に依頼します。

 日本には、代理出産を禁止する法律はありません。
しかし、日本産科婦人科学会は「体外受精の実施は夫婦に限り、受精した卵子はそれを採取した女性に戻す」という会告を定め、非配偶者間の体外受精を禁止しています。
これにより、代理出産は現在の日本では実施できない状況となっています。

アメリカでは代理出産が認められており、50ある州のうち、3つの州を除いて合法的に実施することが可能です。
ミラクル・エンジェルスでは、親会社であるACRCグローバルの本社がある、アメリカでの代理出産プログラムを提供しています。

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海外で行うことができる不妊治療をご紹介

精子提供

一般的に、子どもを授かることができない夫婦の約半数は、男性側に原因があることがわかっています。
不妊の原因が男性側にあると考えられる際は、精子提供を受けることも有力な選択肢となります。

    男性不妊の原因
  • 造精機能障害
  • 精路通過障害
  • 性機能障害
  • 加齢

精子提供は、このような原因で男性不妊に悩む夫婦が、子どもを授かる方法のひとつです。
ドナーから提供を受けた精子を用いて、人工授精(AID)または体外受精(IVF-D)を実施します。

卵子提供は、ご自身の卵子で妊娠できない方が子どもを授かる方法

本記事では、卵子提供のメリットとデメリットについて取り上げてきました。

 卵子提供は、ご自身の卵子で妊娠するのが難しい方でも、高確率で子どもを授かることができる方法です。
メリットとデメリットを把握したうえで、ご自身が後悔しない選択をしてください。

代理出産・卵子提供エージェントならミラクル・エンジェルスへご相談ください。

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