代理出産とは?メリット・デメリットやかかる費用も知りたい
公開:2024.0426 更新:2024.0426
さまざまな事情から、代理出産で子どもを授かりたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。しかし、代理出産が実際にどのようなものなのか、把握されていない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、代理出産とは何か、それに伴うメリットとデメリット、さらには海外での代理出産の流れや費用などについてわかりやすく解説します。この記事を通じて、代理出産に関する知識を深め、検討の際の参考にしてください。
代理出産とは
代理出産とは、言葉の通り第三者に代理で妊娠・出産を依頼する方法です。諸事情により自身での出産が難しい方でも、子どもを持つことができる方法として知られています。
代理出産は、日本の法律による規制はありません。しかし、日本産科婦人科学会では、代理出産には倫理的な観点での課題があるという理由から、医療関係者の代理出産の斡旋や実施を禁止しています。よって、現在の日本では代理出産を実施することができません。
加えて、日本の民法においては、出産した女性を法律上の母親とする見解が支持されており、代理出産で生まれた子どもの親権を巡っては、裁判で訴えても希望通りにならないおそれもあります。
これらの理由から、現在は日本国内での代理出産の実施は、不可能であると言わざるを得ないのです。
一方、アメリカでは一部の州を除き代理出産が法的に認められており、子どもを授かるための選択肢の一つとして存在しています。
ミラクル・エンジェルスでは、アメリカでの代理出産プログラムを提供しています。医療的支援や法的支援はもちろんのこと、心理的なサポートなども提供しておりますので、代理出産をお考えの方はぜひ一度ご相談ください。
代理出産のメリット・デメリット
ここからは、代理出産のメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。
代理出産のメリット
代理出産には、なんらかの理由により自然な方法で子どもを持つことができない方にとって、数多くのメリットがあります。
- 自身の子どもを持てる
先天的な疾患や健康状態が原因で出産が困難な女性も、代理出産によって子どもを授かることができます。これは、ご自身の子どもを持てる希望がないとされていた多くの方に、新たな可能性と希望を与えるものです。 子どもを持ちたいと願う方の夢が叶うことが、代理出産のもっとも大きなメリットと言えるでしょう。
- 高齢出産のリスクを回避できる
高齢での妊娠と出産は、母体と胎児のどちらにも影響を及ぼすリスクがあります。しかし、代理出産を選択すれば、高齢の方でも安心して母親になれる可能性が広がります。代理母として選ばれる方は、基本的に健康で若いため、高齢出産に関連する医学的リスクを避けられるからです。 ご自身の年齢を理由に子どもを持つことに不安を覚えているのであれば、代理出産を検討してみてください。
- 健康上の不安を軽減できる
高齢かどうかにかかわらず、出産では体に一定の負担がかかるものです。場合によっては、合併症の発症や母親の体調悪化などにもつながります。しかし、代理出産であればこのような心配を回避することができます。 このことは、特に健康上の理由から妊娠・出産に不安が残る方にとっては、大きな利点であると言えます。
- 高い成功率
代理出産の成功率は、実施する医療機関によって差異はあるものの、他の不妊治療よりも高いことが知られています。アメリカでの代理出産は、適切な医療環境と質の高い胚、健康な代理母などの条件が揃えば、成功率が75%にも上ります。
代理出産のデメリット
代理出産には、多くのメリットが存在する一方で、いくつかのデメリットも存在します。
- 日本ではできないこと
先に述べたように、代理出産は違法ではありませんが、日本産科婦人科学会から認められていないために、海外で行う必要があります。これにより、候補地となる国の選定から現地の法律の理解、言語の障壁や文化の違いなど、さまざまな課題が伴います。 海外での手続きは、法的な支援や通訳サービスの利用など、追加のサポートを必要とする場合が多く、プロセス全体の管理が困難です。さらに、代理出産を巡る社会的な理解も、国や地域によって大きく異なり、偏見や誤解を持たれかねないという懸念もあります。
- 高額な費用がかかる
代理出産を実施するには、代理母への報酬、医療費、法的手続きの費用、さらには海外渡航費や滞在費など、多額の費用がかかります。これらの費用は、選んだ国によって異なりますが、一般的に数百万円から数千万円と非常に高額であり、経済的な負担がかかるのは避けられません。
- 倫理的な問題が生じる
代理出産を実施すること自体に、倫理的な問題が残っているのも事実です。なぜなら、生まれてくる子どもや代理母を含む、すべての関係者の権利と福祉をどのように保護するかは、特に日本では未だ十分に議論がなされているとは言い難い状況であるからです。 代理母となる女性に対する適切な支援や配慮、契約の透明性の確保など、倫理的観点から多くの要素が検討される必要があります。
- 子どもの法的な地位に関する懸念
日本の法律では、昭和37年の最高裁の判決以降、出生した子どもの法的な母親は、分娩を行った女性とする考えが支持されています。
「母と非嫡出子間の親子関係は、原則として、母の認知をまたず、分娩の事実により当然発生する。」
- もちろん、この判断が現在も妥当であるかどうかは定かではなく、議論が必要な部分ではありますが、少なくとも現在は上記の判断にならうケースが多いのが実状です。
- 子どものアイデンティティに影響を及ぼすおそれがある
日本では「自身の出自を知る権利」はまだ定められていませんが、法整備が進められれば、将来的には認められる可能性もあります。そうなった場合、子どもが自身の出生背景を知ることができるようになります。 そのため、代理出産を行う際は、法整備の状況も確認しつつ、このような問題に対処するための適切なサポートを準備していくことが求められます。
引用元:日本学術会議「代理懐胎を中心とする生殖補助医療の課題」
代理出産には、戸籍や親子関係といった法的な問題が伴います。日本の法律では、出生した子の母親は出産した女性とされています。このため、代理母によって生まれた子どもの法的な親子関係は複雑です。
また、代理出産を行った後、子どもを自分たちの戸籍に入れるには、特別養子縁組などの手続きが必要になる場合があるので、それらのことについても念頭に置いて検討することをおすすめします。
海外での代理出産の流れ
「海外での代理出産って大変そう……」と思われるかもしれませんが、手続きの内容を正しく理解すれば、安心して進めることができます。以下に、おおまかな海外での代理出産の流れを整理したので、参考にしてください。
- エージェントや専門医とのカウンセリング
- 契約手続き
- 代理母の選定と審査
- 代理母との契約手続き
- 胚移植の準備と実施
- 妊娠の確認
- 出産
- 各種手続き
- 帰国
最初に、代理出産エージェントや専門医とのカウンセリングを実施します。プログラムの詳細、費用、期間などについて詳しく説明を受けたうえで、疑問点や不安に思っていることを相談しておきましょう。
カウンセリング後、プログラムに参加する意思が固まったら、エージェントと正式な契約を結びます。ここで、プログラムの詳細条件や法律的な取り決めを確定します。この段階でプログラム費用を支払うケースも多いので、まとまった金額を事前に準備しておきましょう。
代理母候補者から最適な方を選びます。このプロセスは、代理母の健康状態や過去の出産歴など、さまざまな要素を考慮して選ぶ重要な段階です。 これから共に旅をする大事なパートナーですので、後になって気になることが発生しないよう、代理母とはお互いを理解し、納得したうえで選ぶことが重要です。
代理母が正式に認定されたのち「代理出産契約」を締結します。やり取りは基本的に弁護士を通じて行われるので、法的な内容で不明な点があっても安心です。
代理母が決定したら、次は胚移植の準備です。現地の医師が代理母の健康状態や子宮の状態をチェックし、最適なタイミングで受精卵を移植します。
移植後、約2週間で妊娠の有無を確認します。妊娠が確認されたのちは、心拍確認などの定期的な医療チェックが実施され、問題がなければ晴れて妊娠確定です。以降もモニタリングは継続され、成長過程が逐次報告されます。
代理母が産科で出産し、新しい命の誕生です。この際、依頼者が立ち会うことができる場合もあります。
出産後は、赤ちゃんの戸籍や親権に関する書類の提出やパスポートの取得など、多くの手続きが必要です。しかし、ほとんどの場合でエージェントのサポートを受けられるので、つまずくことなく手続きを進められるでしょう。
全てのプロセスが完了し、新しい家族として赤ちゃんとともに帰国します。
【関連記事】胚移植とは?一般的な流れや進め方を紹介
代理出産の費用
代理出産が、子どもを持つという夢を実現するための、有効な方法であることは間違いありませんが、実施に際しては高額な費用を支払わなくてはなりません。かかる費用は、代理出産を実施する国やエージェント、利用する医療施設によって大きく異なります。
また、その費用に含まれているサービスにもよるため、一概には言えません。
さらに、体外受精がうまくいかないなど、不測の事態が発生した場合にも、費用がかさむ可能性があることは理解しておきましょう。
代理出産を実施するのであれば、上記の要素をできる限り考慮しておくことが大切です。
【関連記事】アメリカでの代理出産の費用は?
代理出産エージェントの選び方
代理出産を検討する際に重要なのが、信頼できるエージェントを選択できるかどうかです。そこで最後に、代理出産エージェントを選ぶ際のポイントについて考えます。
- サービス内容
- 費用面
- サポート体制
- 開示されている情報
ひと口に代理出産エージェントと言っても、提供するサービスの内容はエージェントごとに異なります。代理母の選定や契約のサポートなど、基本的な内容は共通していることが多いため、そのほかの部分がより充実しているエージェントを選びましょう。
代理母とのコミュニケーション方法や代理母の妊娠中のフォローがどのように行われるかなど、自分に必要なことをサポートしてくれるかどうかを確認できれば、ご自身に合った優良なエージェントを見つけられるはずです。
サービス内容以外では、費用面も重要なポイントです。単に費用の高い・安いだけを見るのではなく、その内訳や追加料金の有無までチェックするのが大切です。また、そういった費用に関する情報が事前に確認できるエージェントは、信頼性が高いと言えるでしょう。
依頼者、そして生まれてくる子どもの安全を確保する観点から、サポート体制の内容も確認しておきたいところです。日本および現地の法律に関する支援、代理母の方の体調管理体制など、どこまでサポートを受けられるのか念入りに確認しておきましょう。
また、日本法人として活動しているかどうかも重要です。海外のみで活動するエージェントは、コミュニケーションエラーが発生したり、サポート体制が十分ではなかったりする場合も考えられます。安心して代理出産を実施したいのであれば、サポート体制の手厚い日本法人のあるエージェントを選ぶのが良いでしょう。
開示されている情報を確認するのは、そのエージェントの信頼性を確かめるための有効な手段です。過去の実績や利用者の声、また提携先の病院・国に関する情報など、必要な情報を開示しているエージェントを選ぶことを推奨します。
代理出産は希望を掴む選択肢の一つ
代理出産は、さまざまな理由により自身では出産できない、あるいは出産に際して不安がある方が、子どもを授かることができる素晴らしい選択肢です。残念ながら、今の日本国内では制限が多いものの、海外であれば適切なプログラムに申し込むことで代理出産を実施できます。
今回説明したメリットとデメリットを理解したうえで、質の高いエージェントを選択すれば、きっと素敵な未来を迎えられるでしょう。
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