代理出産で子どもを授かった4人の有名人をご紹介!
公開:2024.0425 更新:2024.0425
不妊治療のひとつとして、代理出産という方法があります。子どもを望んでいる夫婦にとって、不妊治療は心身のみならず、経済的にも大きな負担がかかります。そんな治療を続ける夫婦にとって、代理出産は子どもを授かるための選択肢として貴重な方法です。
しかし、代理出産は非常にデリケートな問題でもあります。代理母に命のリスクがある出産を任せることは、命の扱いに関して宗教や倫理観など、周囲からさまざまな意見を言われることもあるでしょう。
日本国内では、違法ではありませんが、代理母に子どもを出産してもらうことはできません。上記のような倫理的課題などがあるために、日本産科婦人科学会によって禁じられているからです。
子どもは、ご自身の思うタイミングだけでは授かることができません。体の状態などが大きく関係します。どのような過程であったとしても、子どもを授かることは新しい人生のスタートです。
本記事では、代理出産で子どもを授かることで、人生を豊かにした有名人をご紹介します。
代理出産した有名人のご紹介:日本の有名人
代理出産は、今でこそ日本でも知られるようになってきました。
不妊治療のひとつの選択肢である代理出産は、日本ではなく海外で行われます。もちろんすべての国ではありません。アメリカやロシア、ウクライナなどが、商業的な意味を含めての代理母、代理出産を認めています。
代理母は、希望すればだれでもなれるわけではありません。代理出産を認めている各国が設けた、心身の健康状態や年齢といった、独自の条件を満たした方のみです。そのため、お腹の中の胎児も母体から栄養をもらって健康に成長しやすく、産中・産後の母体への影響も個人差はありますがリスクが少ないと言われています。
ここで代理出産で子どもを授かることを選ばれた日本の有名人をご紹介します。
代理出産した有名人①向井亜紀さん
タレントの向井亜紀さんは、日本でまだ「代理母」という言葉があまり知られていない頃に代理出産を試みた、先駆け的な存在です。
プロフィール
向井亜紀さんは1964年、埼玉県大宮市に生まれました。父親は医師、母親は高校の化学教師という理系家族に囲まれて幼少期を過ごします。
大学生の時に芸能界にスカウトされ、人の心を多く魅了する芸能界の仕事にのめりこみました。ラジオ番組のDJとして人気を博し、以降テレビやラジオ、エッセー執筆など、幅広く活動しています。1994年には、総合格闘家のプロレスラーである高田延彦さんと結婚しました。
エピソード
向井亜紀さんは、高田延彦さんと結婚してから6年後の2000年9月に、第一子の妊娠が判明しました。しかし、それと同時に、子宮に重度のがんがあることが発覚したのです。同年11月に、向井さんは子宮を全摘出せざるを得なくなり、その手術と同時に胎児を諦めるという深い悲しみを味わっています。一度は自身の力で妊娠できたという経験から「夫の優秀な遺伝子を残したい」と強く願い、代理出産を考えるに至ります。
当時、日本では、代理出産がまだあまり知られておらず、自身の病気を告白したうえで、代理出産のために渡米しました。向井さんの代理出産の公表により、代理母という第三者の女性の子宮を借りて出産する方法が国内で注目されることとなり、一部批判的な声もありました。
向井さんが、実際に代理出産に挑み始めたのは2002年からで、体外受精した受精卵を代理母に着床させるという方法をとられています。2度の失敗を経て、3度目の挑戦で、2003年に待望の双子の赤ちゃんを授かりました。
アメリカで無事に双子の男児を抱きしめられた向井さんは、満面の笑みで子どもと日本に帰国し、子どもを授かった喜びを語ります。しかし、ここで別の問題が浮上しました。
日本の法律では、戸籍上で母の欄に記入される名前は「出産した人」です。そのため役所は、向井さんを母とする出生届を受理せず、向井さんは子どもの「実の母」として戸籍をつくることができませんでした。現在は米国籍で実の親子として戸籍をつくり、日本で暮らしています。
向井さん夫妻のように、代理出産した事例は実はこれまでにもありました。しかし出生届を出すときに代理出産の事実を告げていないために、ほとんどがそのまま受理されてきました。向井さんが代理出産での不妊治療を公表したことで、生命倫理や法律上の取り扱いに関して、さまざまな論議をよんだ一件でもありました。
代理出産した有名人②丸岡いずみさん
フリーアナウンサーの丸岡いずみさんも、2018年に代理出産で1人の子どもを授かっています。2021年に離婚し「自身が働く姿を子どもに見せたい」と現在も精力的に活動されています。
プロフィール
丸岡いずみさんは1971年、徳島県美馬郡脇町(現在の美馬市)に生まれました。両親はともに高校教師です。関西学院大学卒業後は、北海道文化放送のキャスターから日本テレビの報道記者を経て、フリーアナウンサーとして活動。2012年に映画コメンテーターである有村昆さんと結婚し、タレントとして活動を始めます。
エピソード
2012年に有村さんと結婚された丸岡さんは、ほどなくして自然妊娠しますが、10週目で流産してしまいます。子どもを持つことを強く望んでいた丸岡さんは、体外受精による不妊治療を開始します。その後妊娠するも、初期流産。2度の流産により、病院で調べたところ、丸岡さんが赤ちゃんの育ちにくい「不育症」である疑いが生じました。
その後は投薬治療を続けていましたが、副作用が強かったことなどもあり、代理出産を考えるようになったとのことです。
当初、代理出産が普及しているアメリカで代理母を探したものの見つからず、最終的にはロシアでの代理出産に挑みました。2016年の冬に、ロシアで無事出産となり、夫婦そろって子どもと対面しています。
その結果にたどり着くまでに、悪質な業者にだまされたり、1,000万円以上の高額な費用がかかったりと、多くの苦悩がありました。
当時のニュースでは「不育症」「代理母」「代理出産」について話題になりました。不育症は、いくつかの要因が重なって起こります。丸岡さんの場合は、子宮内膜に十分な厚みが見られず、受精卵が育ちにくかったのではないかと考えられています。
母体の年齢が上がることで流産率も上がるといわれていますが、これにも個人差があり、原因を特定することができない流産を繰り返す場合があります。
また、日本では卵子提供者ではなく、子どもを出産した代理母が法律上の母となります。依頼した夫婦は、血縁関係があったとしても、子どもの法律上の親になるためには養子縁組を結ばなければならないケースもあります。
丸岡さんと有村さんは、2021年7月に協議離婚し、子どもの親権は元夫の有村さんが持っています。
親権は有村さんが持っているものの、丸岡さんは子どもと定期的に面会し、一緒に過ごす時間を持たれているとのことです。
代理出産した有名人のご紹介:海外の有名人
海外では、代理出産で子どもを授かることに積極的な国が多く見られます。以前はアメリカが代表的でしたが、現在ではロシアやマレーシアなどでも行われています。代理出産に関しては賛否両論の意見が飛び交いますが、基本的に子どもを持つことで人生観が変わるなどの前向きな意見がほとんどです。代理出産を行った有名人の多くは、自身の心境をSNSなどを通じて発信しています。
ここからは、代理出産によって子どもを授かった海外の有名人をご紹介します。
代理出産した有名人①リッキー・マーティンさん&ジュワン・ヨセフさん
リッキー・マーティンさんは、同性愛者であることを世間に公表したうえで、自分の子どもが欲しいという強い願いを抱いていました。2008年には、代理出産によって双子の赤ちゃんを授かっています。
プロフィール
リッキー・マーティンさんは、1971年にプエルトリコに生まれました。1984年にプエルトリコ出身の少年ボーカルグループMENUDOの追加メンバーとして芸能界入り。CMやテレビ番組に出演し、演技力や歌唱力を磨いていきました。現在は歌手や俳優として活躍しています。
元パートナーのジュワン・ヨセフさんは、シリア系のスウェーデン人です。詳細情報はありませんが、芸術活動を生業としています。二人は出会った瞬間からお互いに惹かれるところがあり『この人と結婚する』と運命的なものを感じたそうです。
エピソード
すでに代理出産を通じて、2人の子どもを育てていたリッキーさん。ジュワンさんは、マーティンさんがシングルファーザーとして、2人の子どもを育てていることを知ったうえで交際を始め、同年に結婚しました。夫夫として6年の結婚生活を送るあいだにも、代理出産で2人の子どもを出産し、代理出産を通じて4人の子どもを授かっています。
グローバルに活躍されているリッキーさんとジュワンさんは、子どもの教育にも力を入れていて、英語だけでなく、スペイン語やイタリア語などでも日常的な会話を行っていたとのことです。
しかし2023年、メディアを通じて離婚を発表し、子どもたちはリッキーさんに引き取られました。彼らは、これからは夫夫としてではなく、友人として良い関係を続けたいと語っており「健全な家族の絆を持ち続け、子どもたちを共同で育てていく」と表明しています。
代理出産した有名人②ニコール・キッドマンさん
世界的女優であるニコール・キッドマンさんには、4人の子どもがいます。そのうちの1人が、代理出産を通じて誕生した子どもです。ニコールさんは、代理出産に関しての詳細な理由を公表していませんが「仕事と子どもを守ることが自分の使命だ」と語っており、現在も意欲的に活動されています。
プロフィール
ニコール・キッドマンさんは、1967年、ハワイ州ホノルルで生まれました。4歳からバレエをはじめ、15歳からテレビやMVにも出演。1990年に俳優のトム・クルーズさんと結婚しました。2001年に離婚したあとも、積極的に女優としてキャリアを築いています。
エピソード
ニコールさんは、1990年に結婚したトム・クルーズさんとのあいだに、2人の養子を迎えました。トム・クルーズさんとは、2001年に離婚。2005年に、現夫である、カントリー歌手のキース・アーバンさんと出会い、翌年に結婚しました。2008年には、自然出産によって、キースさんとのあいだに第一子となる長女を出産しました。
その後、子宮外妊娠と流産を経験したニコールさんは不妊治療を行ったのち、代理出産を決意します。2007年には、代理出産によって待望の第二子を授かっています。代理母を通じて誕生した事実は、子どもに隠すつもりはないと語っており、代理母(通称:シーラおばさん)とは、子どもが6才になったときに、すでに面会済みです。
ニコールさんは、不妊である自分にもがき苦しんだ時期を次のように語っています。「もう1人、または1人子どもが欲しいと願っている人は誰でも、妊娠したいのにできない落胆、痛み、喪失感を経験します。私達はもう1人、子どもがどうしても欲しかったのですが、私は妊娠できずにいました。そんな時にこの機会が巡ってきたのです。」
トムさんとの離婚によって、落ち込んだ時期もあったニコールさんでしたが、今では素敵な旦那様と子どもに囲まれて幸せに暮らしています。
代理出産とは
代理出産とは、何らかの理由で、ご自身では子どもを授かることができない女性が、第三者の女性に妊娠・出産してもらう行為です。代理出産には「依頼者の精子を第三者の女性に人工授精して妊娠・出産する方法」と「夫婦の卵子と精子を体外受精させて得た受精卵を、第三者の女性の子宮に移植して妊娠・出産する方法」があります。
前者では、卵子が妻のものではないため、生まれてくる赤ちゃんと妻は血縁関係がありません。後者は、依頼者夫婦の精子と卵子を受精させるため、両方の遺伝子を受け継いでおり、血縁関係が認められます。
代理出産は、海外で行われているケースがほとんどで、日本国内では実施されていません。ここからは代理出産について、より詳しく解説します。
代理出産のメリット・デメリット
代理出産を行うには、気持ちの面での準備ももちろん重要ですが、多額の費用がかかることも覚えておきましょう。以下に、代理出産のメリット・デメリットをまとめました。
メリット | デメリット |
高齢出産を気にすることなく、子どもを望むことができます。妊娠は、年齢が上がるにつれて、自然妊娠の可能性は下がり、出産時の体へのリスクは増えていきます。 35歳を超えての初産は、一般的に高齢出産と言われます。 年齢を重ねて、高齢出産へのリスクを不安に感じる方でも、 代理出産を行うことで、心配することなく、子供を持つことが可能です。 |
日本では、代理出産に関する法整備が整っておらず、日本産科婦人科学会が指標を示し、規制している状態です。違法ではありませんが、通常の手続きでは、子どもの戸籍を実子として登録ができない、といった問題があります。 海外で、血縁関係にある受精卵を用いて代理出産を行ったとしても、帰国後に複雑な手続きが必要となり、特別養子縁組が認められない場合があります。 |
代理出産は、一定条件を満たした状況では、かなり成功率が高いと言われています。信頼できる医療施設を選んだうえで、着床前検査を実施した質の高い受精卵と、健康状態が良好な代理母が揃うと、1度の胚移植での成功率は75~85%程度とされています。 | 代理出産には、高額な費用が必要です。治療費だけでなく、代理母、仲介業者、医療関係者それぞれに費用が発生します。 国によって費用は大きく異なります。 |
何らかの身体的な理由で、ご自身では子どもを作ることができない場合でも、子どもをあきらめなくてもよいのです。 先天的、後天的な理由があっても、子どもを持つという選択をすることができるのは、大きなメリットと言えるでしょう。代理出産を通じて子どもを授かることで、人生がより豊かになります。 |
代理出産のような命を生み出すことへの生殖補助医療には、宗教や倫理観というデリケートな問題が生じる点も、デメリットとして挙げられます。 |
代理出産で人生を豊かにできる可能性
代理出産について、4人の有名人の事例をご紹介してきました。キャリアを追いつづけながらも子どもを諦めない姿には、感動を覚えます。
不妊であることは非常にデリケートな問題であり、自身の体で出産できないことを嘆くこともあるかもしれません。代理出産はその問題を解決できる、現代に許された方法です。
子どもの存在は、産むことで終わりではありません。その後の成長を楽しみながら、自身も一緒に成長できます。代理出産とは、その後の人生を豊かなものにするひとつの選択肢です。子どもを授かることで、その可能性を広げてくれることでしょう。
代理出産を行うことをよく思わない人もいらっしゃいます。しかし、今回ご紹介した方々の例を見ると「子どもを持つことで人生が豊かになった」と感じているようです。不妊治療で体や心に負担をかけ、苦しむよりも視野を広げて代理出産を考えてみてはいかがでしょうか。
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