卵子の数が少ないとどのように影響が出るのか?
公開:2024.0514 更新:2024.0514
妊活を始めると、時折目にするのが「卵子の数」という言葉です。「卵子の数」は妊娠にどのような影響を与えるのでしょうか。
本記事では、卵子の数が少ない原因を、卵子の数が少ないことによる影響とともにお伝えします。卵子の残数を確認できるAMH検査についても紹介しますので、参考にしてみてください。
卵子の数が少ない原因
卵子の数が少ない場合、考えられる主な原因は、加齢のほか遺伝や体質、病気などです。ここでは、3つの原因を紹介します。
加齢
年齢を重ねるにつれて、卵子の数は少なくなります。
女性は、原始卵胞という卵子のもとを一生分持って生まれてきます。その後は卵子の数は減りつづけ、増えることはありません。出生時には約100~200万個あると言われる原始卵胞は、成長とともに減少して初潮を迎える頃には30万個近くまで減ります。
女性の体は通常月に1回、数十個から数千個の原始卵胞が成長し、そのうちの成熟した卵子1つが選ばれ、卵巣から子宮内に放出されます。これが排卵です。
なお、選ばれなかった原始卵胞は自然と消失してしまいます。これを毎月繰り返すので、卵子の数は30代では1万個から3万個、閉経時には1,000個近くまで減少するというわけです。
遺伝や体質
遺伝的・体質的にもともと持っている卵子の数が、平均より少ない方もいらっしゃいます。生まれもった卵子の数が少なくても、毎月きちんと排卵されていれば、妊娠・出産に影響はないと言われています。
病気
病気も、卵子の数が少なくなる原因の一つです。子宮内膜症をはじめとする婦人科系疾患や、糖尿病や高血圧などの代謝性疾患のほか、自己免疫疾患、ガンの治療などで、卵子の数が急激に減ってしまうことがあります。
また、病気ではなくとも、極端な食事制限によるダイエットで栄養素が不足すれば、卵子の数の減少につながりかねません。
卵子の数が少ないことによる影響
「卵子の数が少ないと妊娠しづらいのかな……」と不安に思われるかもしれません。
しかし、妊娠するためにより重要なのは、卵子の質です。仮に生まれつき卵子の数が少なくても、毎月きちんと排卵されていて、卵子の質が保たれていれば、妊娠する可能性に影響はないとされています。
もし、加齢による卵子の数や質の低下が気になるのであれば、若いうちに採卵し、凍結保存しておく「卵子凍結」を選ぶこともできます。それにより将来の妊娠や、体外受精に備えることが可能です。
また、ご自身の卵子での妊娠が難しい場合には、第三者から提供を受ける「卵子提供」も選択肢として挙げられます。日本での卵子提供は、医学的諸条件を満たした一部の方にしか認められていません。
卵子提供については後ほど詳しくご説明しますので、そちらをご覧ください。
卵子の残数を確認できるAMH検査
卵子の残数を確認する方法として、AMH検査が挙げられます。
AMH(アンチミューラリアンホルモン)とは、卵巣内の発育途中の卵胞から分泌されるホルモンのことです。別名“抗ミュラー管ホルモン”とも呼ばれています。血液中のAMH濃度を測定することで、卵巣の中に残っている卵子の数を推測することができます。
ここで注意したいのは、AMH検査でわかるのはあくまでも卵子の残数で、卵子の質まではわからないという点です。卵子の質がわかるわけではないため、妊娠できる確率を示す検査ではありません。仮に卵子の数が少なくても、卵子の質が良ければ、自然妊娠する可能性は十分にあります。
AMH検査は、不妊治療専門のクリニックや婦人科などで受けることが可能です。なお、この検査に保険を適用する場合には条件があり、基本的には保険適用外になるため、クリニックによって費用は異なります。
不妊治療の助成金制度
子どもを授かりたいと思って妊活を始めたところ、卵子の数が少ないことや、精子に問題があるなどの診断を受け、クリニックで不妊治療を行う方もいらっしゃるでしょう。
そのような方々に向けて、日本では各自治体において、不妊治療の助成金制度が設けられています。
体外受精・顕微鏡受精などの生殖補助医療の一部費用を自治体が負担するものや、保険適用の治療と同時に行われる先進医療の費用を助成するものなどがあります。
ただし、助成金の対象は自治体ごとに異なるため、詳しくはお住まいの自治体の公式サイトや窓口にご確認ください。
関連記事:生殖補助医療とは?日本での実施状況も紹介
卵子提供という選択肢
不妊治療の選択肢のひとつに、卵子提供という手段があるのをご存じでしょうか。卵子提供は、ご自身の卵子での妊娠が難しい場合に第三者から卵子を提供してもらい、体外受精を行う治療法です。
現在日本では、医療的諸条件を満たさなければ、卵子提供を受けることはできません。そのため、それ以外の方が卵子提供を希望する場合は、海外の病院と利用者を結ぶエージェンシーを利用するのが一般的です。
エージェンシーによって、卵子提供者(卵子ドナー)の条件やサポート体制に違いがあるので、エージェンシー選びは慎重に行う必要があります。
卵子の数が少なくても妊娠の可能性はある
本記事では、卵子の数が少ない原因と妊娠への影響についてお伝えしました。
卵子の数が少ないと妊娠しづらいのかと不安に思われるかもしれませんが、妊娠するのにより重要なのは、卵子の質であることが明らかになっているので、卵巣機能が正常で排卵が毎月あり、卵子の質が保たれていれば、妊娠する可能性はあります。
もし不妊治療を行う場合には、できるだけ早い時期に適切な治療を選択することが重要ですので、ご検討ください。
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