卵子凍結とは?推奨年齢や実際の流れを紹介

公開:2024.0619 更新:2024.0619

近年、女性の社会進出が進み、晩婚化が顕著になっています。
そうしたなか、将来的に、加齢によって妊娠が困難になることを懸念して“卵子凍結”を検討される方が増えているようです。

本記事では、卵子凍結の概要をお伝えしたうえで、実際の流れを紹介します。
「今は難しいけれど、将来的に子どもを産みたい」とお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。

卵子凍結とは?

卵子凍結とは、卵巣から採取した受精前の卵子を、将来の妊娠に備えて凍結保存することです。
“受精卵凍結”と混同されがちですが、受精卵凍結は、精子と受精させてできた胚を凍結保存するのに対し、卵子凍結は未受精の卵子を凍結保存します。

卵子凍結は、主に2つのケースで行われます。1つは、病気やその治療により、生殖能力の低下が予想されるケースです。
卵巣の働きに悪影響がおよぶ可能性に備えて、あらかじめ質の良い卵子を採取しておき、治療後の妊孕性を温存します。

もう1つは、健康な女性が、年齢とともに妊娠しにくくなることを懸念するケースです。たとえ女性自身が健康だったとしても、年齢とともに生殖能力は低下し、30代を過ぎる頃を目安に、自身の卵子での妊娠が難しくなっていくことがわかっています。
妊娠が困難になる前に、若い段階で卵子を保存しておき、将来の妊娠に備えるというわけです。

なお、凍結した卵子を使用しての妊娠を希望する場合は、通常、用意した精子と体外受精を行い、得られた胚を移植して妊娠を試みることになります。

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卵子凍結の推奨年齢

卵子凍結は、女性の年齢が若いうちに行うにこしたことはありません。というのも、年齢が若いほうが卵子の状態が良く、数も多く採卵できる可能性が高いためです。
卵子は、胎児期に作られて以降、その数が増えることはありません。

作られた卵子は、成熟の途中で眠った状態になっており、思春期を過ぎてから順に成熟し、排卵されます。その後、卵子は新しく作られることはないため、その数は徐々に減っていくことになります。

また、胎児期に作られた卵子は、その持ち主である女性と同じだけの年月を過ごすことになり、時間の経過とともに質も低下し続けます。
一般的に、女性が若い時期なら卵子の数に余力があるため、ホルモン剤の刺激により、一度にたくさんの卵子を採取することができる可能性があります。しかし、年齢とともに数の余力は失われるので、採取できる卵子の数も減っていくことになります。

このように、年齢を重ねるほど卵子の質と量が低下し、妊娠が難しくなっていくのです。加えて、加齢とともに、女性自身が体調を崩すリスクも高まります。

なかには妊孕性に影響をおよぼす病気もあり、そうしたリスクを考慮するなら、女性が若くて健康なうちに、採卵して保存しておくことが、将来の出産への選択肢の一つと考えられるのです。

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卵子を保存できる期間

卵子凍結における保存可能期間というのは特にありません。というのも、卵子の凍結には-196℃の液体窒素が用いられるのですが、その環境下では、大半の化学変化は起こらず、理論上は何十年にもわたって劣化させずに保存できることになるためです。

そのため、保存期間に関しては、保存する機関によって独自に定められています。凍結保存を検討されている方は、事前に確認すると良いでしょう。

卵子凍結の流れ

卵子凍結から、その後卵子を受精させ、胚を子宮に移植するまでの一般的な流れを見てみましょう。

  1. 検査
  2. 卵巣刺激
  3. 採卵
  4. 卵子の凍結保存
  5. 融解
  6. 受精・培養
  7. 胚移植

まずは検査により、卵巣の状態など採卵に必要なことを調べます。

検査の結果、問題がないと判断されたら、排卵誘発剤を使用して卵胞の成長を促します。経過を観察して卵胞が十分に発育したら、採卵し、得られた卵子を凍結保存となります。

その後、出産を決意された際に、凍結した卵子を融解し、体外受精により受精させます。

これらのプロセスを経て受精した卵子を培養したのち、子宮内へ移植し、無事着床すれば妊娠が成立します。

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卵子凍結は妊孕性を温存できる手段

本記事では、卵子凍結の概要とともに、推奨年齢や採卵、凍結から胚移植までの流れを紹介しました。

卵子凍結とは、将来の妊娠に備えて、受精前の卵子を凍結保存しておくことです。病気やその治療、あるいは加齢により妊娠が難しくなることに備えて卵子を保存しておき、希望するタイミングで妊娠・出産の可能性を試すことができます。

卵子凍結は、必ずしも将来の妊娠・出産を約束するものではありませんが、可能性を保持するために、妊孕性を温存したいと考える方にとって、有効な手段と言えるでしょう。

ぜひ検討してみてください。

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