精子提供とは?精子提供について知識と理解を深めるための基本を紹介

公開:2024.0528 更新:2024.0528

精子提供は、子どもを望みながらも男性不妊に悩んでいる夫婦にとって、有力な選択肢の一つとなります。

「自身の精子に受精能力がないため、第三者の精子提供を受けて子どもを授かりたい」とお考えの方もいらっしゃることでしょう。

そこで本記事では、精子提供の概要や、ドナーを選ぶ際の参考などを紹介します。子どもを授かる、という夢のための選択肢としてぜひ参考にしてください。

精子提供とは

精子提供とは、無精子症や精子に受精能力がないと診断された場合、またその他の理由で自身の精子が使用できない場合に、第三者の精子を提供してもらうことです。
提供された精子は人工授精や体外受精によって、男性不妊に悩む夫婦やカップルが、子どもを授かる助けとなります。

精子提供を望む夫婦やカップルは世界中に大勢いるものの、実際に提供を受けるための条件などは国ごとにさまざまです。
日本では、不妊症が原因で子どもを持てない“法律上の夫婦”に限り、精子提供を受けることが容認されています。

参照元:厚生労働省「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療のあり方についての報告書の概要」

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精子提供の注意点

信頼できるドナーから安心して精子提供を受けるためには、専門機関を介して行うことが重要です。
近年、SNSで知り合った相手から精子提供を受けたことにより、トラブルに発展するケースが増えています。

「精子提供を受けて子どもを授かりたい」と考えているのは、男性不妊に悩む夫婦だけではありません。
“パートナーがおらず、結婚せずに子どもを産みたいシングルマザー”や“法的な婚姻が認められていない同性カップル”のなかにも、子どもを授かりたいと望む方がいらっしゃいます。このような場合は、法律上の夫婦に該当しないため、病院の不妊治療の一環としての精子提供を受けることができません。

それでも子どもを授かりたいと思っているからこそ、SNSを通じて精子を提供してくれる相手を探そうと試みるのです。

しかし、知らない相手から提供される精子は、提供者の正確な情報がわかりません。
情報が不確かな精子を受け取ることは、多くの医学的なリスクもはらんでいます。

情報が不確かな精子を受け取る医学的なリスク
  • 感染症のリスク
  • 遺伝病のリスク
  • 近親交配のリスク

個人間の精子提供で行われるのは主に、針のない注射器で提供者の精液を女性の体内に注入する、“シリンジ法”とよばれる方法です。
その際、衛生管理が徹底されていなければ、感染症に罹患するリスクを伴います。
提供者の情報を正確に把握できないため、どのような遺伝子を含んでいるかわからない、というリスクも拭えないでしょう。

医学的なリスク以外にも、SNSを使った精子提供は、相手から性行為を強要されたり、聞いていた国籍や学歴に偽りがあったりと、さまざまな問題が起こりえます。

これらのリスクを回避するためには、SNSなどによる個人間でのやりとりで精子ドナーを探すのではなく、専門機関を介することが肝要です。

精子提供の費用

精子提供の費用は、国やそれを提供する企業によっても異なります。
精子提供を受ける際は、ドナーへの謝礼やエージェンシー手数料だけでなく、スクリーニング検査になどの医療関連費用も必要な場合があります。

金額を公表していないケースもあるため、精子提供を行っている機関に直接問い合わせて確認しましょう。

精子ドナーとは

精子ドナーとは、精子提供を希望する方に対し、自身の精子を提供する男性のことです。

精子提供による不妊治療では、ドナーの精子と女性の卵子を用いて受精を試みます。
そのため、精子提供で生まれてくる子どもには、精子ドナーの遺伝子が引き継がれます。

精子ドナーは、精子提供の前に身体的・心理的な健康状態を評価するスクリーニング検査を受けることが一般的です。

なお、精子ドナーは、身元を開示しているケースとそうではないケースがあります。
身元が非開示の匿名精子ドナーを選んだ場合は、精子提供で生まれた子どもが成長したときに父親のことを伝えたいと思っても、ドナーの情報を知ることができません。
生まれてくる子どもの“出自を知る権利”も考慮して、適切な精子ドナーを選んでください。

精子ドナーを選ぶ際の参考ポイント

理想の精子ドナーを選ぶために、最低限知っておいた方が良いと思われるドナー情報の一例は、次のようなものです。

精子ドナーを選ぶ際に確認したい項目
  • 自身、またはパートナーが精子ドナーに希望する条件(血液型、学歴や外見など)に合っているか
  • 精子ドナーの健康状態
  • 精子の状態
  • 感染症検査の実施有無
  • 精子ドナーの性格特性
  • 精子ドナーとその家族の病歴、など

以上を参考に、どのような点を重視するのかを明確にしておき、仲介機関に希望の条件を伝えることが大切です。
先述の通り、SNSを通じて精子提供を受ける場合は、ドナーに関するこれらの情報が不明瞭であり、示された内容が真実かどうかを判断できません。

個人間のやり取りはリスクが高いため、必ず専門機関を介して精子提供を受けることをお勧めします。

精子ドナーは信頼できる機関を介して選ぼう

本記事では、精子提供とはどのようなものか、基本的な概要を紹介しました。

精子提供を受けることは、男性不妊に悩む夫婦が子どもを授かるためにできる、前向きな選択肢の一つです。
近年、SNSを使って精子提供を行う人たちも増えているようですが、個人間のやり取りは、簡単そうに見えてドナーの情報が確認できないうえにトラブルに巻き込まれるなど、多くのリスクがあります。
安心して子どもを授かり、さらには生まれた子どもの未来のためにも、信頼できる精子提供の方法を選ぶことが重要です。

精子提供についてはこちらも参考にしてください。精子提供の流れについて

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