体外受精・胚移植の妊娠判定方法は?いつ頃妊娠がわかる?
公開:2025.0114 更新:2025.0114
体外受精・胚移植を行った場合も、自然妊娠と同様に「着床したかどうか」が妊娠判定のポイントとなります。
そこで本記事では、体外受精・胚移植を行ってから妊娠が確定するまでの流れを紹介します。
体外受精による不妊治療をお考えの方はぜひご一読ください。
体外受精・胚移植(IVF-ET)とは
体外受精・胚移植は“採卵”によって排卵直前に取り出した卵子を、文字通り体外で精子と受精させ、妊娠しやすいタイミングで子宮に戻すことによって妊娠を目指す治療のことで、一般の不妊治療(タイミング療法や人工授精)では妊娠できなかった場合の次のステップとして、生殖補助医療技術を用いた高度な不妊治療法となります。
人工授精では、自然妊娠と同様に“精子が子宮内に入る”“無事に受精する”といったハードルを越えなければならず、妊娠に至らなかった方でも、体外受精であれば卵子と精子をシャーレ内で受精させて、受精卵を培養してから子宮内に移植するので、人工授精よりも高い妊娠の確率が期待できます。
通常の体外受精を試みてもうまくいかない場合には“顕微授精”という方法を用います。卵子と精子の様子を顕微鏡で確認しながら、運動が良好なひとつの精子を選んで、細いガラス針の中に取り込んで卵子に注入します。
そのため、より高い確率での受精および妊娠が可能とされています。
体外受精・胚移植の流れ
体外受精の一般的な流れでは、以下のように進められるようです。
- 採卵のために排卵誘発剤を使用して卵胞を育てる(整理開始から3日目頃)
- 採卵を行う
- 採精を行う
- 精子と卵子を受精させる(通常の体外受精または顕微授精)
- 受精卵を数日間培養する
- 胚移植(着床しやすい時期に、子宮に培養した受精卵を戻す)
- 胚移植から約1週~12日目に妊娠判定
これはあくまでも一般的な流れなので、クリニックの進め方や患者の状況により異なる場合があります。そして、これらの手順を経て妊娠判定が陽性なら、妊娠となります。
体外受精の妊娠判定方法と確定まで
前述の通り、体外受精では胚移植を行ってから約1週~12日目ぐらいのタイミングで妊娠判定を行います。
妊娠判定は血液検査をもとに判断されるのが一般的のようです。“妊娠ホルモン”と呼ばれるhCGホルモンの分泌が確認できれば、受精卵が着床し、妊娠に成功したと判定されます。
市販の妊娠検査薬でもある程度の判定は可能ですが、正確な結果が得られない可能性もあるため、最終的な妊娠判定は必ず医療機関で実施してください。
妊娠判定のタイミングで生理のような出血がみられる場合がありますが「生理が来たから妊娠できなかった……」と諦めるのは早計です。
いわゆる“着床出血”と呼ばれるものである可能性もあるため、自己判断せずに医師の診断を受けましょう。
妊娠判定陽性~不妊治療卒業まで
体外受精においては、採卵日を「妊娠2週0日目」として妊娠週数を数えていきます。
妊娠判定を実施してから妊娠8週を迎え、不妊治療卒業となるまでの流れは、以下が一般的です。
- 血液検査で妊娠判定を行う
- 妊娠判定陽性から5~7日後(妊娠5週)頃に超音波検査で胎嚢を確認する
- 妊娠6~7週頃に超音波にて胎児の心拍確認をする
- 妊娠8週頃に超音波検査で胎児の様子を確認する
- 妊娠10週前後頃に胎児が順調に成長しているのが確認できたらIVFクリニックを卒業して、出産に向けて転院する
妊娠判定で陽性が出てからは1~2週間の間隔で超音波検査を行い、胎児の様子を都度確認していきます。
体外受精がうまくいかないケース
体外受精がうまくいかないケースも存在します。
そのひとつとして着床不全(着床障害)、つまり受精卵が子宮内膜に着床しないケースが考えられます。
着床不全の原因は、大きく分けて以下の3つが考えられると言われています。
- 血液検査で妊娠判定を行う
- 妊娠判定陽性から5~7日後(妊娠5週)頃に超音波検査で胎嚢を確認する
- 妊娠6~7週頃に超音波にて胎児の心拍確認をする
- 妊娠8週頃に超音波検査で胎児の様子を確認する
- 妊娠10週前後頃に胎児が順調に成長しているのが確認できたらIVFクリニックを卒業して、出産に向けて転院する
なお、いずれも検査によって判断することが可能なので、医師と相談して今後の方針を決めることになるでしょう。
また、妊娠判定で陽性となっても、約15%が流産となる可能性があると言われています。
着床してから妊娠12週までの流産を「早期流産」言い、妊娠確定後の流産のほとんどがこの時期に起こり、染色体の異常によるものが多いとのことです。残念なことに、現在、流産を止める薬などはないとされており、それを食い止めることはできないということです。
体外受精・胚移植の妊娠判定は、胚移植から約1週間~12日目頃に血液検査によって行う
以上、体外受精・胚移植の概要を踏まえつつ、妊娠判定に関する情報をお伝えしました。
体外受精を行った場合、胚移植から約10日前後経ったタイミングで血液検査によって妊娠判定を行います。
ここで陽性となった場合、定期的に超音波による検査を行い、最終的に妊娠8~10週頃の段階で胎児の元気な様子が確認できればIVFクリニックを卒業となります。
市販の妊娠検査薬で予備検査をすることは可能ですが、正確な判定は、胚移植の約1週間から12日後に医師の検査によって行う必要があります。
また着床出血など、何らかの症状がみられた際にも、自己判断せずに医師に相談することが重要です。