排卵障害とは?原因や治療についてわかりやすくご紹介

公開:2025.0425 更新:2025.0425

子どもを授かりたい場合に、欠かせないプロセスの一つが“排卵”です。

妊娠に至るには非常に複雑な過程を経なければならず、正常な排卵ができなければ妊娠は難しくなります。

「なかなか子どもができない」とお悩みの場合、排卵障害が原因かもしれません。

今回は、排卵障害が起こる原因や治療方法を紹介します。

ご自身の体の状態を理解したうえで適切に向き合い、今後の家族計画に役立ててください。

排卵障害とは?

排卵までの過程に異常が生じて、卵が育たない、あるいは育ってもうまく排卵できない状態を“排卵障害”と言います。

毎月の月経が不定期になったり、決まった周期でこなくなったりします。

排卵障害かどうかを疑った場合は、基礎体温を毎日測定することである程度判断することが可能です。

排卵前には卵胞刺激ホルモン(FSH)の影響で体温が下がり、排卵後には通常であれば体温は上昇し、低温期と高温期に分かれます(2相性)。

しかし、排卵障害がある場合は2相にならないため、疑いがある場合は基礎体温を確認してみてください。

排卵障害は、視床下部性、脳下垂体性、卵巣性などのさまざまな原因によって起こる場合があり、原因によって治療法も異なります。

具体的な原因と治療については後述しますので、そちらをご覧ください。

排卵障害になるとどうなるか

排卵障害が起こると、卵子と精子が受精することができないため、受精卵がつくれません。

妊娠は、受精卵が子宮内膜に着床することで成立するため、排卵というプロセスが欠けることで、不妊になる可能性があります。

しかし排卵障害を改善することができれば、妊娠は望めます。

まずは原因を特定して、適切に治療を受けることが大切です。

排卵障害のおもな原因と治療

排卵障害が起こる原因はさまざまで、それに合わせた適切な治療方法が必要になります。そのため、排卵障害を疑ったら、まずはその原因を突き止めることが重要です。

排卵障害のおもな原因と治療方法
おもな原因 用いられる治療法
中枢性のもの (ホルモンバランスの乱れ)
・排卵誘発法
・クロミフェン(クロミッド)などの排卵誘発剤の服用
ホルモン療法
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群) 
・排卵誘発法
・クロミフェン(クロミッド)などの排卵誘発剤の服用
高プロラクチン血症
プロラクチンの数値を下げる薬の服用
卵巣機能の低下
・排卵誘発法
・体外受精
・漢方薬の服用

このように排卵障害は、原因ごとにさまざまな治療方法が用いられます。たとえば、複数の原因に用いられる排卵誘発法は、排卵誘発剤によって卵子を発育させ、排卵を促す治療方法です。ご自身の体に合う方法で適切に排卵を誘発させるためにも、専門医に相談して治療を受けることが大切です。

ここで、排卵障害をより深く理解するために、月経の周期と流れを改めておさらいしましょう。

女性の体は妊娠に備えるために、約28日の生理周期のなかで“卵胞期”“排卵期”“黄体期”“月経期”という4つのサイクルを繰り返しています。

卵胞期には、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌により卵巣内の小卵胞が成長を始め、成熟した卵胞が“主席卵胞”として卵巣内に残ります。

そのタイミングで増加した卵胞ホルモンによる影響で、脳下垂体から黄体形成ホルモン(LH)が大量に分泌され、排卵を促すという仕組みです。

主席卵胞が約20mmに成長すると卵胞が破裂し、卵巣の表面を卵子が破り卵管へと排出し、月経が起こります。

排卵障害は、上記の表に挙げた原因などが月経サイクルの卵胞期や排卵期に影響を及ぼし、うまく排卵されなくなることを指します。

排卵障害を放置すると、卵巣機能が衰えて不妊の原因になるだけでなく、早期閉経や婦人科系の病気、骨粗しょう症といったリスクも高まるので、できるだけ早く婦人科または産婦人科を受診しましょう。

【排卵障害になりやすい人の特徴

排卵障害はさまざまな原因によって起こることを説明しましたが、体の状態や環境などが原因になる場合もあります。

排卵障害になりやすいとされている人のおもな特徴などを、以下の表にまとめました。

排卵障害になりやすい人・環境
特徴など 詳細
肥満・やせ型
・BMI 25以上の場合、ホルモン分泌が過剰になり、ホルモンバランスが乱れて無月経や過少月経などの月経異常になりやすい
・BMI 18.5未満場合、脂肪が少なく女性ホルモンが分泌されにくくなるため、排卵障害を起こす可能性が高い
過度なストレスやダイエット、大きな環境変化
過度なストレスにより、女性ホルモンの分泌が低下して排卵が起こりにくくなる可能性がある
冷え・便秘
血流が滑らかに流れておらず、卵巣まで血液が充分にいきわたらないことによって排卵障害を起こす可能性がある

女性の体はとてもデリケートなので、特定の病気にかかっていなくても、こうした内的・外的要因によって左右され、排卵障害につながることがあるのです。

排卵障害とは、ホルモンバランスの乱れなどによって、排卵が起こらない状態のこと

本記事では、排卵障害をテーマに原因や治療について紹介しました。

排卵障害とは、何かしらの異常により、卵が育たないか、育ってもうまく排卵できない状態のことです。

排卵障害で悩まれる方は、まずはこうした原因を特定したうえで、治療、そして改善の方向につなげることが大切です。

もし、自然妊娠が難しい場合でも、生殖補助医療によって赤ちゃんを授かれる可能性があります。

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